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それでも大好きなんだーっ!
第7章 多佳子さんとライトくん
「……夏帆さん?なんでここに?」

くるみは同じサークルの後輩だ。その性格も、その性格故のトラブルもよく耳にする。

不機嫌なくるみの視線に、夏帆はフッと笑った。

「自分を大切にするのはいいことだけれど、この歳で ”守り” に入るのはまだ早いんじゃない?」

グッと眉間に深く皺を寄せる辺り、くるみにも思うところがあるのだろう。

瞳を揺らすくるみの隣で、不機嫌さを隠すことなく睨んでくるもあに、夏帆の視線が向けられた。


「あなたに心があるように、他人にも心はあるのよ。嬉しかったり、ドキドキしたり、時に痛みを感じる心が、翼にも、そこの小さな彼女にもあるのよ」

キッと、夏帆を睨むもあの視線がキツくなる。だけど全く動じる様子のない夏帆に、もあの瞳に涙が浮かぶ。


チラリ…うさこへと移された夏帆の視線は、その姿を映して嫌な予感に歪む。


「ねぇ様♡」


胸の前で両手を組み、大きく開いたキラキラな瞳で夏帆を見つめるうさこ。

その口から出てきたのは、自分を呼ぶ声なのか…

「〜〜〜っ!やめてよ!あなたと仲良くするつもりはないわ!」

心の奥に翼への気持ちを燻らせているのに、その恋人と馴れ合うなんて真っ平御免だ。

夏帆は踵を返し、慌ててその場から立ち去る。

だが、

「ねぇ様♡お願い!もう一度言って!動画に撮らせて〜!」

携帯のカメラを片手に、うさこが夏帆を追いかける。

足の長さは絶対的に夏帆の勝ちなのに、どこへ逃げても追い付かれ、その耳は本当にウサギの耳なのではと思えるほどの情報力で先回りされることすらある。


「ねぇ様ぁ♡」

「〜〜〜何なのよ、もう!」


夏帆の手に負える相手ではない。

カツカツとヒールの音を響かせながら、夏帆はなるべく人の多いところへと逃げ込む。

その視線は必死に、この状況から助けてくれるであろう人物を探す。


「─────っ、いた!」

カフェのど真ん中。

女の子に囲まれた ”彼” を見つけ、夏帆は思わず叫んだ。


「翼!助けて!」


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