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それでも大好きなんだーっ!
第7章 多佳子さんとライトくん
わかりやすいくらい大きく息を飲んだまま、多佳子は言葉を返せずにいた。

そんな多佳子に一瞬だけ気の毒そうな視線を送り、夏帆は翼を見遣る。そして、翼の隣から発せられるビームのような視線に、その美しい顔を一気に歪めた。


「夏帆ねぇ様!」

うさこの瞳の中に、キラキラとダイヤの形の輝きが見えるようだ。

祈るように両手を組んで、輝きを増していく瞳から溶かされそうなくらいのハートビームを飛ばしてくる。

夏帆よりもずっと小さいくせに、うさこにはどれ程のパワーが備わっているのか。闘う前から敵わないと諦めそうになる。


「〜〜〜〜〜っ!貴女と仲良くするつもりはないわ」

まともに相手をしたら勝てない!直感で悟った夏帆は、冷たく言い放ち、うさこに背を向けて歩き出す。

それにすら恍惚とした表情を浮かべ、うさこは夏帆を追いかけようと翼の腕の中でもがいた。


「はぅ〜っ!お待ち下さい!女王様ぁ〜♡」

周りにはたくさんの人がいるというのに!夏帆は慌てて振り返る。

「やめなさい!翼も笑ってないで止めてよ!」

肩を震わせてクスクスと笑っていた翼は、夏帆の言葉に腹を抱えて笑い出した。


驚きに息を飲む音。
ざわめく室内。
女の子たちのヒソヒソ声が聞こえてくる。


(こんなに楽しそうに笑う翼は初めて見る)

ドキドキ高鳴る心音と共に、夏帆の中で燻る恋心が暴れ出す。でも、同時に翼にそんな表情をさせられるうさこに嫉妬心が湧き上がる。

そんな苦い気持ちはため息とともに吐き出して、夏帆は笑い過ぎだと翼を小突いて歩き出した。

横目に映った多佳子が、うさこをキツく睨み付けていたのがわかる。

胸が騒めき嫌な予感がして振り返れば、

「夏帆ねぇ様〜♡」

翼の腕の中の呑気なうさこの猫なで声に追い掛けられて、夏帆はまた前に向き直り歩調を速めた。


(プライドを傷付けられたって顔してた。何事も起こらなければいいけれど……)

チラッと見えた多佳子の顔は、うさこを睨み付けたまま何か考え込んでいるようで。夏帆は祈るようにギュッと胸の前で片手を握りしめていた。


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