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それでも大好きなんだーっ!
第7章 多佳子さんとライトくん
「……呼び捨てすんな!」

暴れるうさこを軽々と担いで歩きながら、ライトは不機嫌に返す。

「はぁ?意味がわかりません!私は ”拉致するな” と叫びたい!」

うさこはライトの肩に担がれた状態で顔を持ち上げて振り返る。

だが、腹筋のいるその動作は長くは続かず、ライトの背中に崩れ落ちる。

気力を振り絞り上半身を持ち上げて、うさこはまた空いてる片手でライトの背中をボカボカと叩いた。


「うるさい!もう叫んでるだろ!」

ライトの怒鳴り声の後、うさこの視界がぐるりと回り、背中が地面へと乱暴に打ち付けられた。


「痛…っ」

床だと思ったところはマットの上。薄暗い室内を見渡せば、マットの他にも鉄棒や跳び箱。そして、他に陸上競技に使う道具などが目に映る。

(……外の、倉庫……?)

一度だけ、翼と女の子が入って行くところにコッソリ着いてきたことがあるその倉庫。

埃っぽさと、外で使う道具だからか土臭さや汚さ。それが嫌で、翼と女の子はすぐに出て行ったのを思い出す。

そして、

(ここのドアは……)

同時に思い出したその時の恐怖に、うさこはゾクリと身体を震わせた。


ギギ……ッ

重たいドアの音に我に返ったうさこ。その視界に、倉庫のドアを閉めようとするライトが映る。

「ダメ!」

「は?」

うさこがライトの腕にしがみ付いた時には、そのドアは力任せに閉められたあと。

ピタリと閉じたドアは、うさこの力ではほんの少しだって動かせる気配がない。


「……まさか……このドアは外からじゃないと開かないとか……言わないよな?」

察しがいいのか、ライトの声が震えている。

その、まさか。

翼と女の子を追い掛けてきたあの日。2人が出て行った後、うさこは今と同じように全く動かないドアと悪戦苦闘する羽目となった。

その時は、幸いにも携帯を落としたと女の子が戻ってきて、探している間にこっそりと外に出ることが出来た。

(だから、警戒していたのに……)



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