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それでも大好きなんだーっ!
第7章 多佳子さんとライトくん
安心はしたものの、状況は変わらない。

多佳子のせいでこんな目に遭っているのだから、やっぱり多佳子は悪女だと思う。

なのに多佳子を庇うだなんて、

「ライトって多佳子さんが好きなんですか?女の趣味悪〜っ!」

思案顔から一変。うさこは不機嫌に歪めた顔をライトの方へと向けた。


「はぁ〜っ⁉︎ 」

ガタンッ‼︎

ライトの苛立った声と、大きな物音が重なる。

うさことライトが慌てて物音の方へと目を向ければ、

「多佳子さん!閉めないで!」

「あーっ!」

倉庫の中へと入ってきた多佳子が、閉める時にはカラカラと簡単に閉められるドアを閉め終えたところだった。


「ああああああああっ‼︎ 」

うさことライトの非難の声が重なり、多佳子は不機嫌に眉を寄せる。

「何なの?」

「中から開かないんだよ!」

多佳子の横をすり抜けて、うさことライトの2人でドアを開けようとするが、やはり中からではビクともしない。

怒り任せにドアを蹴飛ばすライト。その野蛮さに顔を顰めたうさこだが、物音に気付いた誰かが開けてくれるかもしれないと必死になって重たいドアを叩いた。


「……暴れないで。埃臭い」

2人の様子を冷めた目で見つめていた多佳子は、その埃っぽさを避けるためかハンカチを口に当てる。

誰のせいだと⁉︎ と叫びたくても、硬いドアを叩き続けた手は痛いし、疲れ果てたうさこにその元気はない。

「あーっ!もうっ!」

ライトも疲れたのか、ドアに背を預けズルズルと座り込む。


──────────……

─────…

静かな倉庫内。うさこと、ライトと多佳子。奇妙な組み合わせの3人組に会話はない。


「……結構時間経った気がする」

膝に顔を乗せて瞳を閉じていたライトが、ボソッと呟いた。

「退屈…ですね」

分厚いドアに耳を付けて外の様子を伺っていたうさこだが、人の通る気配がない。

もう何度目か知れないため息を吐き出したうさこに、

「……セックスする?」

ライトが軽口を叩き、

「遠慮しときます」

うさこがバッサリと斬る。

俺だってお断りーと笑うライトに、多佳子は不機嫌な視線を投げ掛けた。


「ライト。命令……忘れたの?」

”命令” …───… ”あの女、ヤッちゃってくんない?”

多佳子の冷たい視線に、うさこの背筋がピシッと伸びた。

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