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それでも大好きなんだーっ!
第7章 多佳子さんとライトくん
はぁー…っとライトは大きなため息を漏らしながら立ち上がる。

ビクッと肩を揺らしたうさこだが、ライトはうさこに目もくれず、多佳子の方へと歩み寄った。


「やめやめ。翼さんが悲しむ。そしたら多佳子さんも傷つくでしょ?」

うさこを睨み続ける多佳子の視界を覆うように、ライトは多佳子の背中に腕を回した。


「多佳子さんにとって、バージンてそんなに大事なものだった?」

「はぁ?くだらない!」

「ふーん。その割に拘ってない?」

ライトの背に隠れ、うさこから多佳子の表情は垣間見れない。

だが暫くの沈黙の後、多佳子らしからぬ小さく絞り出すような声で、

「……私のそれは、小6の時、信頼していた担任に奪われたわ。だから、大事だとか思う前にもう失くしていたの」

衝撃の告白が聞こえた。


多佳子を抱き締めるライトの腕の力が強まる。

「……多佳子さん!」

思わず我が身を委ねかけた力強い腕。その隙間から見えたのは、嫉妬に駆られた多佳子が貶めようとしていた相手。涙目で多佳子を見つめるうさこに、多佳子は呆れたように息を零した。


「貴女に同情されたくない」

「処女膜は再生するらしいです!だから!そんな初体験は忘れて、次は素敵な初体験をして下さい!」

最低の初体験をさせてやろうと企んだ女相手に、目に涙を溜めて何必死になってるのよ…

思わず言葉に詰まり、

「……っ……変な子」

真っ直ぐなうさこの目が見れず、苦し紛れにそう言えば、

「翼さんが夢中になるのわかるね」

多佳子を抱き締めるライトがクスクスと笑い出す。


「多佳子さん。俺が最高の初体験プラン考えるよ」

「プランを考えるだけなら!つーくんの力もお貸しします!」

同級生だからだろうか。どこか似てる2人が、自分のために瞳を潤ませてくれている。

込み上げてくる熱いものを押さえ込むように、多佳子は強がって大きな声を出した。


「しんみりするの、やめてよね!私はね、男共を見下してやるために努力したのよ!努力して努力して…綺麗になって……」

ああ…気付いてしまった。

「口にすると、馬鹿馬鹿しい理由よね」

自嘲気味に笑った多佳子の心まで包むように、ライトはその腕に更に力を込めた。


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