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それでも大好きなんだーっ!
第2章 夏帆さん vs うさこ ⁉︎
「やだやだやだっ!つーくん!別れるなんてやだーっ!」

勢い余り、2人に向けて倒れこむうさこを、

「うさ⁉︎ 」

翼が慌てて抱き留めた。


「ヤダヤダ!浮気は許すからぁっ!別れたくないーっ!」

泣きじゃくるうさこ。

「よしよし。いっぱい泣け。うさこの泣き顔は可愛い」

意地悪な笑みを浮かべた翼が、うさこの頬を引っ張りながらその泣き顔を嬉しそうに眺めている。


「い、伊久美くん…っ…な、がせさん……」

翼に告白した女は、オロオロと2人の様子を見つめるしか出来ないでいた。


翼に頬を引っ張られたままのうさこと女の視線が合う。

「よくみひゃら、ひゃひゅひぇのみゃねのふゃほひゃん」

女を指差し叫ぶうさこ。

その意味不明な言葉に、翼が吹き出す。 


うさこが言いたかったのは、”よく見たら、バスケのマネの夏帆さん”


三雲 夏帆[みくも かほ]

翼が所属するバスケのサークルのマネージャー。

翼よりも一つ年上の夏帆は、とても気が利くと評判の美人マネージャー。

なのに控えめで…更には敢えて強調しない巨乳。

サークル内のみならず学内外までに ”平成の大和撫子” と人気が高い夏帆。


だが、

「なんで?なんで永瀬さんなの?全然釣り合ってない!伊久美くんの男を下げる前に、早く別れなさいよ!」

恋愛事となると ”大和撫子” ではないようだ。


「……俺、うさと別れるつもりはないんで。行こ、うさ」

サラッと言った翼の言葉に、

「ひゅーきゅん♡」

今だ頬を引っ張られたままのうさこが嬉しそうに笑う。

そのまま歩き出す2人に、夏帆は慌てて叫んだ。


「ま、待って!別れなくていいよ!浮気でいいから!伊久美くんに触れたいの!触れられたいの!」



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