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それでも大好きなんだーっ!
第1章 彼女はうさこ
ゆっくり…

ゆっくりと…

重たい瞼が開いていく……


「あ、起きた」

聞こえた声に、

「大丈夫?」

覗き込まれたその端正な顔に、


「ひっ…ひ、ぎゃぁああぁぁっっ‼︎⁉︎ 」


うさこは悲鳴を上げて飛び起きた。

(な、ななっ…何故つーくんが⁉︎ )

混乱する頭で、必死に記憶を手繰り寄せるうさこ。

そんなうさこを、翼が面白そうに覗いている。


「はい、携帯。”うさこのお宝フォルダ” なんて気になる名前が付いてたから、つい見ちゃった。 ごめんね?」

うさこの携帯を返しながら、ニッコリと笑う翼。

女殺しと称されるその笑みに、うさこもつられて笑い、つい頷きそうになる。

が、

はたと我に返り、

「え⁉︎ うぎゃっ‼︎ 見た⁉︎ 見たの⁉︎ 」

驚きのあまり目を見開くうさこ。

目玉が落ちてきそうな程のものすごい形相に、翼が吹き出す。


「ふはっ…うさこって面白いね」

そう言って、翼は時折 涙を拭う程に笑い転げる。

(う、ウケてる……)

目の前で笑い転げるイケメンに、うさこは眉を寄せた。


”うさこのお宝フォルダ” には、言わずと知れた『つーくんのイキ顔コレクション』が入っている。

(そ、それを……見られ…た……?)

すっかり血の気の引いた顔で、恐る恐る翼を見上げるうさこ。

ようやく笑い終えた翼が、興味深げな視線を向ける。


「あ、の……怒って…ないの…?」

「んー?ああ、”つーくんのイキ顔コレクション” ?」

「……っ‼︎ 」

息を飲むうさこ。だが、恐る恐る頷く。


「 ”つーくん” て呼ばれ方、初めて」

笑いをこらえながら話し出す翼に、少しずつ うさこの顔も上がっていく。


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