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それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)

椅子を倒し、倒れた椅子を振り回してリビングで暴れる母親。
どうにか鎮めようと、翼は母親にビールを渡す。
5本目の空き缶が転がった頃、
短時間で空けたからか、泣き疲れたからか、母親がソファーで眠りにつく。
淡々と…
翼は母親を部屋へと運び、
脱衣所でうさこの携帯を拾う。
淡々と…
心を殺して…
そんな翼が自室に戻れば、
深雪は今にも泣き出しそうな沈痛な面持ちで出迎える。
この後、翼の身に起こることを…深雪は知っている。
それが、初めてではないことも…
それが、翼の心を歪ませていることも…
知っているのに、
「大丈夫だから」
何と声を掛けても、
ここから連れ出そうとしても、
翼は心を殺して笑うんだ。
歯痒くて、もどかしくて、何も出来ない自分が悔しくて、深雪は言葉を発することも出来ずに唇を噛み締めた。
タッ…深雪の真横を、小さな影が過る。
「うさ?」
「つーくん」
うさこの小さな身体は、翼の身体を必死に抱き締める。
”伊久美 ツバサ”
父親と同じ名前で、父親と同じ顔で、父親が遺した家に住む。
この家で、翼の存在は父親の身代わり。
だけど、
「つーくん!つーくん!つーくん!」
その呼び名は、父親と同じ名前を持つ翼にとって特別なもの。
何度も呼ばれるその呼び名に、翼の心に温かさが戻る。
どうにか鎮めようと、翼は母親にビールを渡す。
5本目の空き缶が転がった頃、
短時間で空けたからか、泣き疲れたからか、母親がソファーで眠りにつく。
淡々と…
翼は母親を部屋へと運び、
脱衣所でうさこの携帯を拾う。
淡々と…
心を殺して…
そんな翼が自室に戻れば、
深雪は今にも泣き出しそうな沈痛な面持ちで出迎える。
この後、翼の身に起こることを…深雪は知っている。
それが、初めてではないことも…
それが、翼の心を歪ませていることも…
知っているのに、
「大丈夫だから」
何と声を掛けても、
ここから連れ出そうとしても、
翼は心を殺して笑うんだ。
歯痒くて、もどかしくて、何も出来ない自分が悔しくて、深雪は言葉を発することも出来ずに唇を噛み締めた。
タッ…深雪の真横を、小さな影が過る。
「うさ?」
「つーくん」
うさこの小さな身体は、翼の身体を必死に抱き締める。
”伊久美 ツバサ”
父親と同じ名前で、父親と同じ顔で、父親が遺した家に住む。
この家で、翼の存在は父親の身代わり。
だけど、
「つーくん!つーくん!つーくん!」
その呼び名は、父親と同じ名前を持つ翼にとって特別なもの。
何度も呼ばれるその呼び名に、翼の心に温かさが戻る。

