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それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)
電話を切るのとほぼ同時に、

ガチャ…

無遠慮に、翼の部屋のドアが開けられた。


化粧の崩れた不機嫌な顔…

ボサボサの頭…

幼い頃からどうしても好きになれなかった母親の裏の顔。


「誰?女?」

「……友達」

急いで携帯にロックを掛けて、翼は愛想笑いを返して立ち上がる。


(シャワー浴びるように勧めて…適当に話を聞いて…寝かしてしまおう……)

咄嗟に、どうやってわが身を守るか考える。

なのに、

「こんな夜中に?非常識な奴!」

いつもは聞き流せる母親の言葉が、うさこに向けられていると思うと…

「……俺が掛けたんだよ」

許せなくて、翼は思わず言い返していた。


「ツバサ!浮気は許さないから!」

怒りに見開いた母親の瞳に、今更ながらやってしまったと後悔する。

「浮気って……‼︎ 」

引き攣る笑みで誤魔化そうとした翼を、

ドサッ…
母親が、翼を下敷きにベッドに倒れ込んだ。


「ツバサ…っ…ツバサ‼︎ 」


堕ちる…

母親が服を脱ぎ捨てる度、

堕ちていく…

無抵抗の翼の服が脱がされる度、

翼の心が暗くて深い闇へと堕ちていく。


とっくの昔に諦めた抵抗。

なのに今日は…

”つーくん!”

…心が騒つく。


「か、あさん……」

バチン‼︎

頰に走る痛みに、翼は目を見開いた。


「やめて!友梨って呼んで!」

ズルイ…

こんなことをする癖に、

翼よりも、翼の母親の方が、

傷付いたような…泣きそうな…

そんな顔をする。


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