この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)
”明日、会えますか?”

”明日午前中につーくんを拉致します!”


頭に響く、うさこからの拉致宣言。


いつも自分の気持ちに…

自分の欲望に…正直なうさこ。

その真っ直ぐな言葉にいつだってつい笑みが溢れるのは、それを、羨ましいと思うからかもしれない。



「……俺は、母さんの望む ”ツバサ” じゃない。母さんの、愛した ”ツバサ” じゃないよ?」

「……っ……」

息を飲み、母親は見開いた瞳で翼を見つめる。


「荷物、纏めなきゃ。退いて」

身体を起こし、上に跨る母親を退かした翼に、

「荷物…纏めるって……翼⁉︎ 何言ってるの⁉︎ 」

母親は、ポロポロと涙を流し始めた。


「翼は…っ…私を、見捨てないよね?」

泣きながら…引き攣る笑みを浮かべて、震える母親の手は翼の腕を掴む。


揺れる、翼の瞳…

見捨てることなんて、出来ない…

だけど……


”このままじゃ、ダメだよ!このままじゃ、つーくんのイキ顔が腐っちゃう!”


……母親とこのまま堕ちていく訳にはいかない。


ギュッとキツく瞳を閉じた後、無言で鞄を引っ張り出す翼。

母親の震える手が掴んでいた翼の腕は、あっさりと振り払われてしまう。


「……ダメよ……」

低い、低い……女のものとは思えない程に低い母親の声。

ハッとして振り返った翼の視界は、母親の身体で塞がれた。


「行かせない…っ…どこにも!行かせない‼︎ 」

そう叫んで、翼を胸に抱く母親。

そろそろと、翼の手は遠慮がちに母親を抱き締めた。


「……小さい頃、こうして欲しかった」

静かな声でそう話す翼に、母親の瞳が戸惑いに揺れる。


「俺さ、この歳で…こんな図体してさ……暗いとこダメなんだ」

「え?」

「子供の頃さ、電気のスイッチに手が届かなくて……夜になると真っ暗ですげー怖かったから、今でも暗闇ってその頃の恐怖を思い出して無理」


(そういえば、うさこも暗い所がダメだったな)

まさかうさこまで、スイッチに手が届かないのが理由だったりして…

身体の小さいうさこを思い出し、翼はクスッと笑いを零した。


/162ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ