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それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)

”明日、会えますか?”
”明日午前中につーくんを拉致します!”
頭に響く、うさこからの拉致宣言。
いつも自分の気持ちに…
自分の欲望に…正直なうさこ。
その真っ直ぐな言葉にいつだってつい笑みが溢れるのは、それを、羨ましいと思うからかもしれない。
「……俺は、母さんの望む ”ツバサ” じゃない。母さんの、愛した ”ツバサ” じゃないよ?」
「……っ……」
息を飲み、母親は見開いた瞳で翼を見つめる。
「荷物、纏めなきゃ。退いて」
身体を起こし、上に跨る母親を退かした翼に、
「荷物…纏めるって……翼⁉︎ 何言ってるの⁉︎ 」
母親は、ポロポロと涙を流し始めた。
「翼は…っ…私を、見捨てないよね?」
泣きながら…引き攣る笑みを浮かべて、震える母親の手は翼の腕を掴む。
揺れる、翼の瞳…
見捨てることなんて、出来ない…
だけど……
”このままじゃ、ダメだよ!このままじゃ、つーくんのイキ顔が腐っちゃう!”
……母親とこのまま堕ちていく訳にはいかない。
ギュッとキツく瞳を閉じた後、無言で鞄を引っ張り出す翼。
母親の震える手が掴んでいた翼の腕は、あっさりと振り払われてしまう。
「……ダメよ……」
低い、低い……女のものとは思えない程に低い母親の声。
ハッとして振り返った翼の視界は、母親の身体で塞がれた。
「行かせない…っ…どこにも!行かせない‼︎ 」
そう叫んで、翼を胸に抱く母親。
そろそろと、翼の手は遠慮がちに母親を抱き締めた。
「……小さい頃、こうして欲しかった」
静かな声でそう話す翼に、母親の瞳が戸惑いに揺れる。
「俺さ、この歳で…こんな図体してさ……暗いとこダメなんだ」
「え?」
「子供の頃さ、電気のスイッチに手が届かなくて……夜になると真っ暗ですげー怖かったから、今でも暗闇ってその頃の恐怖を思い出して無理」
(そういえば、うさこも暗い所がダメだったな)
まさかうさこまで、スイッチに手が届かないのが理由だったりして…
身体の小さいうさこを思い出し、翼はクスッと笑いを零した。
”明日午前中につーくんを拉致します!”
頭に響く、うさこからの拉致宣言。
いつも自分の気持ちに…
自分の欲望に…正直なうさこ。
その真っ直ぐな言葉にいつだってつい笑みが溢れるのは、それを、羨ましいと思うからかもしれない。
「……俺は、母さんの望む ”ツバサ” じゃない。母さんの、愛した ”ツバサ” じゃないよ?」
「……っ……」
息を飲み、母親は見開いた瞳で翼を見つめる。
「荷物、纏めなきゃ。退いて」
身体を起こし、上に跨る母親を退かした翼に、
「荷物…纏めるって……翼⁉︎ 何言ってるの⁉︎ 」
母親は、ポロポロと涙を流し始めた。
「翼は…っ…私を、見捨てないよね?」
泣きながら…引き攣る笑みを浮かべて、震える母親の手は翼の腕を掴む。
揺れる、翼の瞳…
見捨てることなんて、出来ない…
だけど……
”このままじゃ、ダメだよ!このままじゃ、つーくんのイキ顔が腐っちゃう!”
……母親とこのまま堕ちていく訳にはいかない。
ギュッとキツく瞳を閉じた後、無言で鞄を引っ張り出す翼。
母親の震える手が掴んでいた翼の腕は、あっさりと振り払われてしまう。
「……ダメよ……」
低い、低い……女のものとは思えない程に低い母親の声。
ハッとして振り返った翼の視界は、母親の身体で塞がれた。
「行かせない…っ…どこにも!行かせない‼︎ 」
そう叫んで、翼を胸に抱く母親。
そろそろと、翼の手は遠慮がちに母親を抱き締めた。
「……小さい頃、こうして欲しかった」
静かな声でそう話す翼に、母親の瞳が戸惑いに揺れる。
「俺さ、この歳で…こんな図体してさ……暗いとこダメなんだ」
「え?」
「子供の頃さ、電気のスイッチに手が届かなくて……夜になると真っ暗ですげー怖かったから、今でも暗闇ってその頃の恐怖を思い出して無理」
(そういえば、うさこも暗い所がダメだったな)
まさかうさこまで、スイッチに手が届かないのが理由だったりして…
身体の小さいうさこを思い出し、翼はクスッと笑いを零した。

