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それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)
笑うような雰囲気じゃなかったのに……

クスクスと笑い始めた翼に、母親は戸惑いを隠せない。


「後さ、母さんのセックスの声聞くのが嫌で、部屋のドアは絶対締めるんだけど……母さんの動向がわからなくなるの嫌で、子供の頃はトイレのドアを閉められなくて…今だに時々 開けて入る」

翼のその言葉には、

ふふっ…と、母親の口から笑いが溢れた。


「翼のパパもね、トイレのドアは開けて入る人だった。それで何回喧嘩したかわからないわ」

当時を思い出しているのか、翼の母親の顔は見たことないくらいに穏やかだった。


「父さんのこと、本当に好きだったんだ?」

「…………」

母親からの答えはないけれど、翼はその答えを知っている。


物心つく前から…

翼の食事も、身の回りのことも、

男にかまけてばかりで何一つしてくれなかった母親。

掃除も洗濯もしないこの家で、

不思議なくらい綺麗な部屋…

幼い翼は入ることが許されなかったその部屋は、父親が生前使っていた部屋。

そこに置かれた仏壇は、いつだって綺麗に掃除され、季節の花々が添えられていた。



「母さんとこんなに穏やかに話すの、初めてだね」

照れたように笑う翼は、普段より子供っぽい。

普段は、穏やかで…冷静で…父親に似て大人っぽいと思っていた翼のそんな顔に、

(本当は…甘えたかった……とでも言いたいわけ?)

母親の胸でチクリと痛んだのは、母親自身もあるとは思っていなかった ”母性” なのかもしれない。



「急に…こんな話……なんなの?」

「……なんだろうね」

困ったように笑う翼の顔は、

(喧嘩の後でおずおずと話し掛けてくるツバサとそっくり)

母親の心は、まだ過去と今を行き来する。



「大切な子でも……出来たの?」

静かな母親の声。

思わず頷きそうになるけれど、まだうさこを紹介したいと思える程に母親を信用出来ない。

無言の翼に、

「……ごめんね」

母親はそっと、その身体を離した。


部屋を出て行く母親の背を見つめる翼は、

「……うん」

込み上げてくる涙を堪え、

震える声で頷いていた。


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