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それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)
振り返れば、

「ツバサぁ!ツバサぁ!」

深雪の腕を振り解こうと暴れる母親。

騒ぎを聞きつけた近所の人たちも集まり、母親を押さえつけていた。


(戻れば…きっと……)

シラフでこんなに荒れている母親が、昨日のように話を聞いてくれるだけで済むとは思えない。

(だけど……)

母一人、子一人。

放置されてきたとはいえ、翼にとってたった一人の ”家族” そして ”母親” だ。


「……うさ……ちょっと、待って」

翼の足が止まる。

「……それが、つーくんの答え…ですか?」

短絡的な自身の考えへの後悔に、うさこの瞳に涙が揺らめいた。


「……昨日、さ……母親と話したんだ。小さい頃からのこととか……初めて、まともに会話した」

翼のその言葉に…穏やかなその笑みに…

翼にとって最善なことは何なのか、うさこはもうわからなくなっていた。

翼の視線から、逃げるように俯いたうさこの瞳から涙が零れ落ちる。


「いつ母親が来るかわかんないからさ、夜もぐっすりなんか寝れなかったんだけど……昨日はぐっすり寝れて、おかげで寝坊。うさこのチャイムで飛び起きた」

玄関から飛び出してきた翼の服が肌蹴ていたのはそのせいか。

うさこは力なく笑った。


「 ”重大な秘密” を暴露してくれたうさこに……甘えてもいいかな?」

「え?」

「俺がこのまま家を出たら、母親が狂うんじゃないかって怖いんだ」


実の息子に身代わりを求める程に…

それ程までに翼の父親を愛していた母親。

セイという彼氏との別れに直面している今、母親を1人にする訳にいかない。

だけど……

「俺は、うさこといると腹の底から笑えて、おかげで元気がもらえるから……」

だから……

「うさこが見てないところでは、誰であっても女は抱かない。だから、母親と…話してみる」

あんなこと、されるのは嫌だと……まだ伝えていない。

真剣な翼の瞳に、

うさこはコクリと頷いていた。


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