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それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)
「お騒がせしてすみません」

ガバッと翼は、背の高い身体を半分に折るくらいに頭を下げる。

興味本位で集まっていた近所の人たちは、バツが悪そうに曖昧な笑みを返して立ち去る。

だが、深雪とその両親は、その場に残り翼の母親を取り押さえていた。


「母さん。話、しよ?」

母親の前へと立った翼に、

「つ、ばさ……っ、お願い…行かないで……1人に、しないで……」

母親は、震える手を伸ばして抱き着いた。


「ずっと…翼を一人ぼっちにしてたの……あんたの方じゃん。なのに、自分が一人ぼっちになるのは嫌だとか……勝手すぎる!」

翼の母親を睨む深雪の肩を、その父親がそっと抱き寄せた。


「両親揃ってたって子供を育て上げるのって大変。それを、女1人でやってきたんだもの。褒めるべき自分を、これ以上落とすようなことしないで」

深雪の母親の言葉に、翼の母親の瞳が大きく揺らいだ。

「翼は、友梨さんの大変さを感じていたんだろ。そんな孝行息子…傷付けるなよ」

深雪の父親はそう言って、深雪とその母親を連れて自宅へと戻っていく。


「あの……っ」

この場に、自分がいてもいいんだろうか……

うさこは思い切って声を掛ける。


「……なんで、”うたこ” の癖に ”うさこ” なんて名乗ってんの?」

うさこに目を合わせもせず、翼の母親が呟くように聞く。


「え?あ、可愛いからです!」

「ぶっ…」

単純明快なうさこの答えに、翼が吹き出す。

うさこらしいと、そのまま笑い転げる翼を、翼の母親は驚きながら見つめていた。


「それがうさこの ”重大な秘密” って……ははっ、うさこはやっぱり面白い」

「重大ですよ!初めのうちは先生にも怒られたし、テストで名前にバツ付けられて減点されたこともあるんですから!」

頬を膨らませてみせながら、うさこもどこか嬉しそうだ。



「……ガキ……」

黙って2人を見ていた母親が、ポツリと呟く。

「ツバサは…翼の父親は、もっとクールで大人っぽかったわ」

呆れたようにため息を吐き出した母親は、

「当たり前です!いくら同じ名前だからって…つーくんはつーくんですから!」

言い返されたうさこの言葉に目を瞠った。


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