この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)

「お騒がせしてすみません」
ガバッと翼は、背の高い身体を半分に折るくらいに頭を下げる。
興味本位で集まっていた近所の人たちは、バツが悪そうに曖昧な笑みを返して立ち去る。
だが、深雪とその両親は、その場に残り翼の母親を取り押さえていた。
「母さん。話、しよ?」
母親の前へと立った翼に、
「つ、ばさ……っ、お願い…行かないで……1人に、しないで……」
母親は、震える手を伸ばして抱き着いた。
「ずっと…翼を一人ぼっちにしてたの……あんたの方じゃん。なのに、自分が一人ぼっちになるのは嫌だとか……勝手すぎる!」
翼の母親を睨む深雪の肩を、その父親がそっと抱き寄せた。
「両親揃ってたって子供を育て上げるのって大変。それを、女1人でやってきたんだもの。褒めるべき自分を、これ以上落とすようなことしないで」
深雪の母親の言葉に、翼の母親の瞳が大きく揺らいだ。
「翼は、友梨さんの大変さを感じていたんだろ。そんな孝行息子…傷付けるなよ」
深雪の父親はそう言って、深雪とその母親を連れて自宅へと戻っていく。
「あの……っ」
この場に、自分がいてもいいんだろうか……
うさこは思い切って声を掛ける。
「……なんで、”うたこ” の癖に ”うさこ” なんて名乗ってんの?」
うさこに目を合わせもせず、翼の母親が呟くように聞く。
「え?あ、可愛いからです!」
「ぶっ…」
単純明快なうさこの答えに、翼が吹き出す。
うさこらしいと、そのまま笑い転げる翼を、翼の母親は驚きながら見つめていた。
「それがうさこの ”重大な秘密” って……ははっ、うさこはやっぱり面白い」
「重大ですよ!初めのうちは先生にも怒られたし、テストで名前にバツ付けられて減点されたこともあるんですから!」
頬を膨らませてみせながら、うさこもどこか嬉しそうだ。
「……ガキ……」
黙って2人を見ていた母親が、ポツリと呟く。
「ツバサは…翼の父親は、もっとクールで大人っぽかったわ」
呆れたようにため息を吐き出した母親は、
「当たり前です!いくら同じ名前だからって…つーくんはつーくんですから!」
言い返されたうさこの言葉に目を瞠った。
ガバッと翼は、背の高い身体を半分に折るくらいに頭を下げる。
興味本位で集まっていた近所の人たちは、バツが悪そうに曖昧な笑みを返して立ち去る。
だが、深雪とその両親は、その場に残り翼の母親を取り押さえていた。
「母さん。話、しよ?」
母親の前へと立った翼に、
「つ、ばさ……っ、お願い…行かないで……1人に、しないで……」
母親は、震える手を伸ばして抱き着いた。
「ずっと…翼を一人ぼっちにしてたの……あんたの方じゃん。なのに、自分が一人ぼっちになるのは嫌だとか……勝手すぎる!」
翼の母親を睨む深雪の肩を、その父親がそっと抱き寄せた。
「両親揃ってたって子供を育て上げるのって大変。それを、女1人でやってきたんだもの。褒めるべき自分を、これ以上落とすようなことしないで」
深雪の母親の言葉に、翼の母親の瞳が大きく揺らいだ。
「翼は、友梨さんの大変さを感じていたんだろ。そんな孝行息子…傷付けるなよ」
深雪の父親はそう言って、深雪とその母親を連れて自宅へと戻っていく。
「あの……っ」
この場に、自分がいてもいいんだろうか……
うさこは思い切って声を掛ける。
「……なんで、”うたこ” の癖に ”うさこ” なんて名乗ってんの?」
うさこに目を合わせもせず、翼の母親が呟くように聞く。
「え?あ、可愛いからです!」
「ぶっ…」
単純明快なうさこの答えに、翼が吹き出す。
うさこらしいと、そのまま笑い転げる翼を、翼の母親は驚きながら見つめていた。
「それがうさこの ”重大な秘密” って……ははっ、うさこはやっぱり面白い」
「重大ですよ!初めのうちは先生にも怒られたし、テストで名前にバツ付けられて減点されたこともあるんですから!」
頬を膨らませてみせながら、うさこもどこか嬉しそうだ。
「……ガキ……」
黙って2人を見ていた母親が、ポツリと呟く。
「ツバサは…翼の父親は、もっとクールで大人っぽかったわ」
呆れたようにため息を吐き出した母親は、
「当たり前です!いくら同じ名前だからって…つーくんはつーくんですから!」
言い返されたうさこの言葉に目を瞠った。

