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それでも大好きなんだーっ!
第4章 お、お母様Σ(゚Д゚;)
フッ…と、母親の瞳が優しく揺れる。


「……翼……この家を出て行くのは許さない」

急に低くなった母親の声に、翼は身体を強張らせる。

「……でも……しばらくは1人にして。私に冷静になれる時間を頂戴」


「え?」

驚いて顔を上げた翼に、

「ごめんね。1人になっていろいろ考えてみる」

母親は、優しい笑顔を向けていた。


初めて…自分に向けられた母親の笑顔に、

「─────…っ」

言葉を発することが出来ず、翼は息を飲む。


「偽名 うさこ!」

まさか翼の母親に呼ばれるとは思わず、

「ぎ、偽名⁉︎ 」

うさこは驚いて言い返していた。


「本名 うたこなんでしょ?偽名じゃない」

「せ、せめて ”芸名 うさこ” にして下さい」

「芸人でもないくせに、何が芸名よ」

「じゃ、じゃあ ”ニックネーム うさこ” で」

言い合う母親とうさこが可笑しくて、翼はまたクスクスと笑い出していた。


「……本名 うたこ。翼がなんであんたを選んだのか…ちょっとわかった気がする」

「え?」

母親の言葉に首を傾げ、顔を見合わせる翼とうさこ。

そんな様子に柔らかな笑みを浮かべ、

「翼のこと、頼んだわよ」

母親は小さな声でうさこに呟いた。


「はっ!はいーっ!頼まれました!一生かけて大事にします!」

「しばらくの間だけよ。すぐに翼は返してもらうから」

「ご心配なさらず、のんびりゆっくり1人を満喫して下さい!」


言い合う2人に、翼はまた笑顔になる。

まさか、

母親とまともに話をする日がくるとは思わなかった。

母親と笑い合う日がくるとは思わなかった。

母親と……彼女……が、仲良くなる日がくるなんて……思わなかった。


思わず熱くなった目頭。

涙が零れ落ちないように上を向き、

翼はまた笑顔を浮かべていた。


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