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それでも大好きなんだーっ!
第1章 彼女はうさこ
「伊久美先輩の周りの女の人って、うさことは月とすっぽんなんだけど。そんな伊久美先輩がうさこを彼女に…なんて、都合の良すぎる妄想だね」

(……反論出来ない……)

もあの言葉はその通りだと、うさこも思う。

だからきっと、つーくんは (多分) 彼女であるうさこの相手をしてはくれないのだろう。


ガックリとテーブルに頭を落とすうさこ。

その頭を、

「うさこ」

フワッと優しくつーくんの手が撫でた。

「つーくん♡ 」

大好きな声が真上で聞こえ、うさこは飛び起きる。

だが、

「……誰この子。妹?」

翼の後ろから、不機嫌な顔をした美女が顔を覗かせる。


(多佳子さん……)

うさこの苦手な相手がこちらを睨んでいる。

(つーくんの相手、多佳子さん率が高い……お気に入りなのかな?)

縋るように翼を見上げるうさこに、翼はニコッと笑いかけた。


「妹なんかじゃないよ。俺の彼女」


ザワッ…

翼の一言に、カフェ内が一気にざわつく。


多佳子は鬼のような形相で固まり、

うさこのサンドイッチを摘んでいたもあも驚いた顔で翼を見つめている。


当のうさこと言えば、

(か、彼女って言ってくれたぁ♡)

と、心よりも下半身がざわついて仕方ない。

モゾモゾと膝を擦り合わせるうさこに翼が優しく微笑んだ。


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