パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 2

少しだけ逞しくなった荏原に部内の人間は皆、固唾を飲んで結果を待っていた。

「きっと打ち合わせが伸びてるのよ。リラックスしてお昼にしましょ？」
「あ、はい……すいません」

あやみに促されると名残惜しそうに荏原は席を立った。
あやみは机に持参した弁当を広げ、昼休み中も連絡を待つ。
しかし荏原に結果を告げる電話は鳴らなかった。

もうすぐ定時という午後五時過ぎ、
「荏原さん、国光産業から二番です」
「は、はいっ!!」

遂にその電話はやって来た。
部内にいた者達は動きを止め、慌ただしく受話器を取る荏原に耳を澄ませた。

「すいません、お電話代わりました荏原です。……いつもお世話になっております。……はい。……あ、はい。はい……でもそれはっ……あ、はい、すいません。……はい、そうですか……いえ……こちらこそすいません……」

次第にトーンが下がっていく荏原に胸を悼めつつ、全員が素知らぬ振りで動きを再開させていく。