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いつかは結婚できると思い込んでる私へ
第3章 3
「そんな嘘をつく唇は----」

タクトはあやみにキスをする。

「塞ぐしかないな……」
「タクトっ……」
「俺にそんな嘘が通用すると思っているのか?」

笑いながら親指の腹で唇を撫でられ、あやみは鼓動が高鳴る。

「お前は俺だけを見てればいい。違うか?」

タクトはグッと顔を近付けてあやみの目を覗きこんだ。

「ダメだっ!!」

我に返ったあやみはタクトの妄想を掻き消す。

駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だ駄目だっ……

タクトに頼っちゃ……駄目だ……

誰もいない部屋であやみは枕を床に投げ付け、激しく頭を振る。
脳内旦那はあやみに甘いことしか言わない。
その妄想で安らぎを得て、『まあ、これはこれでいいか』などと甘いことを思うからずるずると現状から抜け出せない。
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