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sunset~君の光になりたい
第3章 雨は涙色
突然、視界が明るくなる。銀川(ぎんかわ)リュウが、ヒロのサングラスを取ったのだ。
銀川は、丸い目をパチパチさせて悪戯に笑う。
180センチを軽く超える長身の彼は、目が丸くクリクリしていて幼い。振る舞いまでも子供じみている。
ヒロと同じ28歳なのだが……
悪気は無いが、悪戯が過ぎる事がある。ヒロはその度にマジ切れして何度も絶交宣言を突き付けて来た。が、何処か憎めない銀川を、結局は許してしまう。
「寝てるのかと思ったぞ!」
銀川はヒロの脇を擽ろうと、両手を変な形で構えた。
ヒロが冷たくギロリと睨むと、彼はへへ、と笑い手を引っ込める。
「別に……寝てねーよ」
サングラスを奪い返しポケットにしまうと、銀川はヒロの顔を覗き込んだ。
「もうすぐ到着やで!……右手が痛むんか?」
「いや、大丈夫や」
その時初めてヒロは自分が右手を触っていた事に気付いた。