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sunset~君の光になりたい
第7章 同じ名前の彼は
 里沙は武彦を睨んでいたが、ライブが終了したので再びアナウンスする。

「thunderのライブにお越しいただき、ありがとうございました!
 この後、サイン会参加券をお持ちになっているお客様対象で、メンバーによるサイン会を開催します。
 素晴らしいライブの思い出に、参加券を持っているお客様は、どうぞご参加下さい!それではサイン会に関しまして、注意事項を……」

 そこまで言いかけた時、不意にブルガリの香りがフワリと漂った。スピーカーを持つ里沙の右手が、大きなごつごつした手に握られ引っ張られる。

「皆さん!どうもありがとう!今日は最高やったで!これからも、俺らをよろしく!」

 ごつごつした手の主は、武彦その人だった。
 里沙は抗議しようと口を開きかけたが、息がかかる程の距離に武彦の唇がある事に気付き、言葉を飲み込んだ。
 前髪の間から覗く鋭い目が見えて思わず見詰めた時、手の力が緩んでしまった。スピーカーは床に落ち、
"キイーン"というけたたましい音が辺りに響く。

「里沙!大丈夫?」

 千波が慌てて駆け寄った。
 銀川がニッコリ笑うと、スピーカーを拾う。

「皆さん失礼しました!武彦っ!店員さんを驚かせたらあかんで!せっかく俺らのアピールをしてくれてるのに!あとでお前は……そうやな、反省会や!お尻ペンペンやで――!」

 茶目っ気たっぷりの言い方に、会場からは爆笑が起きた。


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