この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
sunset~君の光になりたい
第9章 恋する夜空
「迷ったんなら、すぐに電話してこいよ!」

 思ったより大きな声が出てしまった。
 千波の表情が固まる。

「知らん街でフラフラして!襲われでもしたらどうするんや!
 何処にいるかもわからなけりゃ助けにも行けんやろ!」

 怒りが抑えられず、更に大きな声を出してしまった。
 ヒロはすぐに後悔する。 
 千波の肩や唇がわなわなと震え、顔色もみるみるうちに青ざめていく。ついには、その場で座りこんでしまった。

「千波……!」

(――そこまで、俺の怒鳴り声が怖かったのか)

 ヒロは震える千波を抱き締めた。
 触れたらもっと怯えるかも知れないと思ったが、彼女は抵抗せずに身体を預けてくる。

「大きな声でゴメンな……怖かったか?……でもお前も悪いんやで?何かあったら、こんなもんじゃ済まんやろ?
 俺に怒られただけで、終わったんやから……よかったやないか……ん?」

 小さな子供に言い聞かせる様に、ゆっくり優しく囁き、彼女の小さな頭を撫でた。

「……っ……ひっ……怖……い」

 千波は、肩を震わせて泣いている。

「俺が、怖いんか?」

 指先で撫でた真っ直ぐな髪がさらさらと流れると甘い香りが鼻腔を擽った。何故か胸が痛くなる。

「……違……何か怖い事……思い出したような気がしたの……」

 千波の涙混じりの熱い息が首筋にかかった。ヒロ思わずぞくりとして、深呼吸して気を逸らすように努める。
 すると、涙を溜めた彼女の瞳が目の前にある。
 ヒロは、思わず目の前の唇に指で触れてしまった。

(――まずい。また怖がられる)

 反射的に指を引っ込めようとすると、千波はヒロの指を掴む。
 彼女は、ヒロの指をしげしげと眺めていた。
 いつの間にか泣き止んでいる。ヒロはホッとしたが、なんだか居心地が悪い。


/113ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ