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sunset~君の光になりたい
第9章 恋する夜空
「……綺麗な指」
千波はうっとりと呟く。ヒロは急に恥ずかしくなって来た。その小さな手を振り払う事が出来ず、立ち尽くす。
女の子の手に触れるのが初めてではないのに、千波のそれは余りにも柔らかくて優しく、儚げだった。
千波はヒロの手をギュッと握ると、左手の薬指に青い風船の糸をくくりつけた。
「?」
ヒロが、頭上にゆらゆら揺れる風船を見詰めていると、千波が満足げに笑った。
「ヒロさんには、やっぱり青が似合うね」
「……そうなんか?」
ヒロはどうして良いかわからず、曖昧に頷いた。
「ヒロさんを初めて見た時、凄く綺麗だなあって思ったの……
だから、今日ステージでライトを浴びるヒロさんを見るのが楽しみだったのに……残念だったなあ」
千波は、目をふせて唇を尖らせる。
「また、見に来なよ」
「行ってもいいの?」
千波が弾かれた様に顔をあげて真っ直ぐにヒロを見つめた。
その瞳の中には一片の曇りも無く澄んでいる。思わず見惚れたが、直ぐに誤魔化す様に咳払いし、わざと軽い調子で言った。
「あったり前やろ――!俺らのライヴを見ずして今のロックシーンは語れないで~?ショップ店員なら、参戦必須やで!ハハハ!」
「うふふふ」
千波が可笑しそうに笑って、ヒロの胸が温かくなる。
千波はうっとりと呟く。ヒロは急に恥ずかしくなって来た。その小さな手を振り払う事が出来ず、立ち尽くす。
女の子の手に触れるのが初めてではないのに、千波のそれは余りにも柔らかくて優しく、儚げだった。
千波はヒロの手をギュッと握ると、左手の薬指に青い風船の糸をくくりつけた。
「?」
ヒロが、頭上にゆらゆら揺れる風船を見詰めていると、千波が満足げに笑った。
「ヒロさんには、やっぱり青が似合うね」
「……そうなんか?」
ヒロはどうして良いかわからず、曖昧に頷いた。
「ヒロさんを初めて見た時、凄く綺麗だなあって思ったの……
だから、今日ステージでライトを浴びるヒロさんを見るのが楽しみだったのに……残念だったなあ」
千波は、目をふせて唇を尖らせる。
「また、見に来なよ」
「行ってもいいの?」
千波が弾かれた様に顔をあげて真っ直ぐにヒロを見つめた。
その瞳の中には一片の曇りも無く澄んでいる。思わず見惚れたが、直ぐに誤魔化す様に咳払いし、わざと軽い調子で言った。
「あったり前やろ――!俺らのライヴを見ずして今のロックシーンは語れないで~?ショップ店員なら、参戦必須やで!ハハハ!」
「うふふふ」
千波が可笑しそうに笑って、ヒロの胸が温かくなる。