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sunset~君の光になりたい
第10章 罪作りなtouch

 いつの間にか周囲には里沙とペコの大立ち回りの見物人で溢れていた。
 パチパチと拍手が起こる。
 
「やりすぎたかしら」

 ペコが舌を出した。

「本当だよ……まあ、私も乗せられたけどさ」

 先程の女子高生二人組がスマホを片手に小走りで駆け寄ってきた。

「凄かったです!さっきの戦い、写真に撮ったんですけど、ツイッターで呟いてもいいですか?」

 里沙はギョッとする。

「そんなんダメ!」

 と言ったがそれより先にペコが

「載せて――いいともー!!」

 と張り切って頭の上に両腕で丸を作った。

「ちょっと母さん!」
「いいじゃない。店の宣伝になるし」

 里沙は、次から次へ

「サイン下さい」
「一緒に写真撮って下さい」

 と学生やOLや主婦風の女性に頼まれ呆然としながら対応していた。
 thunderのインストからこの店は有名になり、たまにこういう事が起こる。

(単なる店員の私らの写真やサインなんて本当に欲しいのましら?)と不思議でならない。

 そんな事をしていたら、ようやく人もまばらになってきた。里沙はホッとして大きな溜め息を吐いた。
 急に眠くなり、大きな欠伸が出る。

「でかい口やなあ」

 聞き覚えのある声に、慌てて手で口を押さえる。
 スラリと背の高い、前髪が目で隠れている男性が口を歪ませて目の前にいた。

「thunder武彦さん!」

 里沙はびっくりして叫んだ。




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