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sunset~君の光になりたい
第10章 罪作りなtouch

 武彦が前髪を掻き分けて笑うと、一瞬瞳が見えた。

「その呼び方だとレスラーみたいやな。
 俺は『広岩武彦(ひろいわたけひこ)』やで?覚えてな?」
「む……」
「元気になった?脚も大丈夫なん?」
「はい、おかげさまで。」

 武彦は里沙の返事にニッコリ笑って店の奥に行き、ペコと話していたが五分ほどして戻ってきた。

「里沙さん」

 武彦が真面目な口調で言う。

「はい?」
「デートしませんか」

 言葉の意味がわからなくて聞き返した。

「え?」
「僕とデートしませんか。て、言ってるんやけど」
「えええっ」
「お母さんの了解はもらったで」
「はああ!?」

 里沙は、店の奥からニヤニヤしながらガッツポーズをしてみせる母を睨んだ。

 (一体何を考えてるのよ……)



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