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sunset~君の光になりたい
第11章 切ない黄金色



 ふと、名古屋ライヴの夜を思い出して、今更ながら頬が熱くなってきた。
 彼の髪の香りと、硬い胸の感触、そこから伝わる鼓動に、耳にかかる彼の吐息。

(ヒロさんに抱き締められたんだ……)





 不思議と怖くなかった。懐かしい様な気持ちで身を任せていると次第に恥ずかしくなってきた。
 数十秒程だったのかも知れないけれど……
 ふと鼻の奥がムズムズして、大きなくしゃみをしてしまうと、彼はようやく千波を離した。

「ああ……悪い、寒いよな、店に戻るか……いや、もう遅いからこのままホテルに送るわ」
「えっ……」

(一人になりたくない……まだ、ヒロさんと一緒に居たい)

 そう思っている事に、千波自身驚いた。
 この間会ったばかりの人なのに、何故こんな風に思うのだろう?


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