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sunset~君の光になりたい
第11章 切ない黄金色

ヒロは、困った様に笑い、金色の髪をくしゃりと掻き上げる。
形の良い額が覗き、千波は思わず見とれた。すると、いきなり頭からバサッと彼が脱いだパーカーを被せられた。
「寒いから着てな!子供はもう寝る時間や!送るで!」
「きゃっ」
パーカーの上から、大きな掌でグリグリと乱暴に頭を撫でると、彼はさっさと先へ歩いて行ってしまう。
千波が慌てて追い掛けつまづきそうになると、素早く抱き留められた。
「あぶね――な……ほれ、手」
「え?」
戸惑う千波の手を引き寄せて、指を絡めると彼はぶっきらぼうに言った。
「また、迷子になると面倒やしな」
「……」
ぞんざいな口調とは裏腹に、彼の手からは熱が伝わって来る。
二人は、ホテルまでの道中をお互い何も話さずに歩いた。

