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sunset~君の光になりたい
第12章 KISS
ヒロは、千波の泣き顔を思い浮かべ、唇を噛んだ。
彼女の涙を溜めた瞳や、泣く直前の紅い震える唇を見ると、自分が正気では居られなくなる様な気がする。
抑えているものが音を立てて崩れてしまいそうで怖くもあった。
千波は視線に気が付いて、
「ヒロさん。お腹空きません?」
と笑う。
ヒロは背伸びをした。
「う――ん、そうやな。あれ、ひょっとしてこの大荷物は弁当なん!?」
千波は、はにかむように少し頬を染めて頷く。
「ちょうどここ、良い場所ですよね!池の側で鴨も見れるし!」
二人はそこに大きなレジャーシートを敷いて鴨を眺めながら、大量の昼食を食べた。
「ごちそうさん!千波、料理うまいな」
「本当?嬉しい!片付けて、他も行きません?ペンギン見たい!」
「はいはい」
千波は空になった弁当箱を手際よく片付け、敷いていた大きいレジャーシートを畳もうと端を持ち、ヒロもシートの端を持った。
「せ~の」
二人でふざけて大袈裟な仕種でシートを畳もうとする。シートを持っている千波と丁度同じ目の高さになり、顔がお互いの息がかかる距離まで近付いた。
二人は一瞬シートを持った姿勢のまま、ギョッとして固まってしまったが、千波がヒロの目をまじまじと見つめ、小さな声で何か言った。
彼女の涙を溜めた瞳や、泣く直前の紅い震える唇を見ると、自分が正気では居られなくなる様な気がする。
抑えているものが音を立てて崩れてしまいそうで怖くもあった。
千波は視線に気が付いて、
「ヒロさん。お腹空きません?」
と笑う。
ヒロは背伸びをした。
「う――ん、そうやな。あれ、ひょっとしてこの大荷物は弁当なん!?」
千波は、はにかむように少し頬を染めて頷く。
「ちょうどここ、良い場所ですよね!池の側で鴨も見れるし!」
二人はそこに大きなレジャーシートを敷いて鴨を眺めながら、大量の昼食を食べた。
「ごちそうさん!千波、料理うまいな」
「本当?嬉しい!片付けて、他も行きません?ペンギン見たい!」
「はいはい」
千波は空になった弁当箱を手際よく片付け、敷いていた大きいレジャーシートを畳もうと端を持ち、ヒロもシートの端を持った。
「せ~の」
二人でふざけて大袈裟な仕種でシートを畳もうとする。シートを持っている千波と丁度同じ目の高さになり、顔がお互いの息がかかる距離まで近付いた。
二人は一瞬シートを持った姿勢のまま、ギョッとして固まってしまったが、千波がヒロの目をまじまじと見つめ、小さな声で何か言った。