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sunset~君の光になりたい
第14章 過去を知る男

 あれから連絡を取っていない。
 ツアーで多忙だろうし、迷惑に思われたくない、という気持ちもあった。
 毎日目まぐるしくて、ヒロの事を忘れている事もあが、ふとした瞬間に襲う、どうしようもない「切ない、会いたい」
 という疼きは止めようがなかった。

(ヒロさんだって、ごく普通の女の子のほうが絶対にいいに決まってる……
 私より相応しい人が、いくらでもいるよね……)

 鏡の中の小さな情けない自分は、彼と並んで歩いたり、話したり、笑いあったりする資格があるのだろうか。
 けれど、彼が他の人と寄り添う姿を想像すると、堪らなく胸が痛み、涙が溢れそうになる。

(私……どうしたらいい?)

「千波――支度できた?」

 呼ぶ声に、涙で滲んだ目を慌てて拭いドアを開けると、元気一杯の笑顔の里沙が居た。

「さて、いよいよDecemberのインストアだよ―!そろそろ行こうか!」

 千波は頷いて、無理矢理笑ってみせた。





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