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sunset~君の光になりたい
第14章 過去を知る男
「今日のライブ、どんな感じか楽しみだね!」
地下鉄に揺られながら、里沙が話し掛けてくる。
「……うん。そうだね」
「ボーカルの大森さんのシャウトが凄いんだよね。インストアじゃそんなハードな事はできないから、今日はアコースティックなんだけど、母さんが残念がってさ。
発狂してたよ。
"小林さんのシャウトが聴けない!
もう、わたくしには生きる希望はない!
雪のように溶けて、冬の日本海へ流れ込みたいー!"
とかさ、訳わかんない事わめいてたけど」
気持ちを明るくさせようと、一生懸命話しているのが千波にもわかっていた。
なのに相槌をうつしか出来ない。
「うん……」