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彼方
第5章 調教
ちなみは嘘をついた。

薫に見下されるのが怖かったのだ。


彼女はまだ男を知らない処女だった。


だが大学生になって一人暮らしをするようになってから、


経験豊富な友達に贈られたバイブレーダーを定期的に使っていたのだ。


(とはいえ彼女がそれを使う時は、憧れの先輩ではなく好きでもなんでもない相手を思

い浮かべることが多かった)


だから性器は濡れやすくなっていたし、


侵入者を拒絶する処女膜もきつく張り巡らされてはいなかった。


「今までに誰としたの?教えてくれたら気持ちいいご褒美をあげるよ」


薫は妙に興奮を覚えた。


ちなみの困惑と羞恥心は彼の起爆剤だ。


まだちなみに触れる前からいきり立ってきた。


「・・・高校の時の同級生と・・・です」


ちなみは咄嗟に嘘をついた。


薫に女性器をじっと見られるだけの状態が、とても面映かったのだ。
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