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情画
第4章 深夜
「じゃあ、いってきます。」

実が居るから、自宅が仮住まいというわけにはいかない。

その分、朝早く起きて此処にくる時間を作った。

「いってらっしゃい。」

カタカタと揺れるランドセルを見ながら詫びる。

「実、学校にいる間だけ、ママに好きに時間を使わせてね。」

そして迷いもせずインターホンを押した。

カラン…カラン…

玄関に籠があり中に首輪が入っていた。

服を脱いで首輪を自分でつける。
着物になり絵を描いていた時と同じ、これが今のお屋敷でのスタイル。

自ら望んでない部分もあるが、沙絵さんを知り先生に近づく手段なのだ。

ワタシは四つん這いになり進んだ。

コンコン…

そのままの姿勢でノックする。
立ち上がってノブを回すべきか迷った。

ガチャッ…

「やっぱり、嬉しいわ、いずみさん。ペットらしくていいわ。」

ドアを開けられないワタシを沙絵さんが出迎えてくれた。

「おはようございます。沙絵様…」

「おはよう、いずみさん。ノックが下の方でしたからもしかしてと思ったのよ。
本当に主を喜ばせるのが上手ね。」

沙絵さんはしゃがんでワタシの頭を胸に埋め、凄く喜んでいた。
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