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情画
第4章 深夜
女がそそりたつ男性器に舌を伸ばしている。
艶かしく揺れ動き、目の前のご馳走をどう味わおうかと、模索する瞬間を捉えた写真なんだと気づく。

ここで食事風景というサブタイトルが活きていく。
テーブルの上下で繰り広げられる2つの食事風景、平常のそれと、1枚板の下の異常なそれ。

1枚板、つまり食卓により、身分が、そのあるべき姿が、まさに階級を現すように上下を分かつのだ。

ここでタイトルの食卓がこの写真のテーマであり題材の照準であることが正しいと改めて認識される。

「沙絵様…
写真とタイトルは予め構想をお持ちなのですか?」

「いいえ、全てがインスピレーションよ。

まずは、美しい、面白いなど心が動かされたらシャッターを切る。

1枚じゃないのよ、このアングルで撮った写真。」

「そうなんですか、全く気づかなかったです。」

「悪いけどサイレンサーを使わせてもらったわ。
シャッター音を消せるのよ。
意識しちゃうでしょ。

最後の何枚かは、敢えて音を出して意識させたけど。」

「被写体の心理面まで写真にしてるんですか。」


「まあ、そうね。」
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