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情画
第5章 梟
実はもう、鉢植えを構図に似た向きに置いていた。

ワタシはスケッチブックを持ってきて、実の色鉛筆を借りて描き始めた。

「ママ、僕の学校の朝顔とはやっぱり違うよ。」

「そうね。一つ一つ違うものね。」

「ん〜、でも、僕のを思い出して描くよ。
ここはもっと緑だったんだ〜」

実の頭には学校の朝顔が見えているようだった。
時々天井を見ながら色鉛筆を変えて描き続けた。

「ママの見せて?」

実がのぞいてくる。

「ママのも違うよね。」

「そうね。見ている場所が違うから、ママのところから見てごらん。」

「本当だ〜ママは少し上から見てるから、茎が短いね。本葉しか見えないや〜
ねぇ、次の葉っぱがもう出来てるね。
これは何て名前だろ〜」

「本葉で良かったんじゃないかなぁ。明日、先生に聞いてみたら?」

「うん。

ママ、鉛筆が足りないよ。」

「どうして?」

「もっと、緑のや、黄色いのや、いっぱいないと描けないよ。」

「そうね。
でも、こうやって色んな色を重ねて塗ったらどうかしら…」

ワタシは緑の部分に青や黒を重ね塗りするところを見せた。

「すごーい、僕もやってみよ〜」

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