この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
情画
第6章 夜明け
「違うわ。まず醜いと思ってないし、二人とも蜘蛛だったのよ。」
「えっ?」
「お父様は縄で、いずみさんはその美しさで、互いに糸を絡め合い縛り付け、縛られて、巣に留まっているの
8年もの隔たりがあったのにね。」
「沙絵さん、一つだけ言わせてください。」
「何?」
「ワタシ、沙絵さんに言われるほど美しくない。」
「うふふ、綺麗よ。外見もだけどここがね。」
沙絵さんは、ワタシの乳房というより、胸、いや心臓を指すように爪を立てた。
「愛し合える人と出逢ったら、そうなるのかしら…
見返りも何も求めない愛…」
ワタシはそれほど先生を愛しているだろうか、不安になるほどの真っ直ぐな瞳で沙絵さんに見つめられた。
「あの日、いずみさんは奴隷契約に応じると思っていたわ。どうして逃げ出したのかしら…」
「自分に負けたんです。」
「えっ?」
「沙絵さんと先生の関係は、最初は廊下に漏れる声で知りました。
そして、アトリエの奥の間で見ました。
縛られてアトリエで沙絵さんに見られた時、先生を信じました。
でも、先生が咎められていたあの日…
ワタシの目に入ったのは、沙絵さんの体に残された痕でした。
先生はワタシの為に、絶対に痕が残るようなことはしなかった。
それを身体中に付けられる沙絵さんが羨ましかった。」
「えっ?」
「お父様は縄で、いずみさんはその美しさで、互いに糸を絡め合い縛り付け、縛られて、巣に留まっているの
8年もの隔たりがあったのにね。」
「沙絵さん、一つだけ言わせてください。」
「何?」
「ワタシ、沙絵さんに言われるほど美しくない。」
「うふふ、綺麗よ。外見もだけどここがね。」
沙絵さんは、ワタシの乳房というより、胸、いや心臓を指すように爪を立てた。
「愛し合える人と出逢ったら、そうなるのかしら…
見返りも何も求めない愛…」
ワタシはそれほど先生を愛しているだろうか、不安になるほどの真っ直ぐな瞳で沙絵さんに見つめられた。
「あの日、いずみさんは奴隷契約に応じると思っていたわ。どうして逃げ出したのかしら…」
「自分に負けたんです。」
「えっ?」
「沙絵さんと先生の関係は、最初は廊下に漏れる声で知りました。
そして、アトリエの奥の間で見ました。
縛られてアトリエで沙絵さんに見られた時、先生を信じました。
でも、先生が咎められていたあの日…
ワタシの目に入ったのは、沙絵さんの体に残された痕でした。
先生はワタシの為に、絶対に痕が残るようなことはしなかった。
それを身体中に付けられる沙絵さんが羨ましかった。」