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情画
第6章 夜明け
「お料理上手ですよね。」

「盛り付けよ。盛り付けで誤魔化されてるのよ。」

確かに彩りを操るのが本職だから、それはそうかもしれない。

「昼は豪勢だけど夜は漬物だけよ。」

「えっ?」

「嘘よ。簡単に騙されるわね。」

「あっ…」


沙絵さんの機嫌を損ねたくない。またこうやって許される時が来るかもしれない。
この時は自分のことしか考えてなかったのだ。

「いずみさん、明日は必ず来てね。絶対よ。」


今までと違い沙絵さんが切羽詰まって言っていることなど気づかなかったのだ。

「失礼します。」

そのあと奴隷の仕事もなく、料理の話で終わり応接間を1人で出ていく。


少しずつ置かれていった布石にも気づかずに…




実は玄関から入るなりわんわん泣き出した。

「どうしたの?」

「嘘つきって、みんなに言われた。
先生も助けてくれなかった。」

泣きじゃくりながら訴える実、とりあえずとリビングまで連れてきてソファーに座らせた。

「何を嘘つきって言われたの?」


泣きながらもやっと実が口を開く。


「絵だよ。朝顔の宿題だよ。」

「それがどうしたの?」

「僕が描いたんじゃない。宿題になったから、ママが手伝ったんだって…」

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