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情画
第7章 曙
何より眩しいほどに瑞々しい裸体を惜し気もなく晒すことができる若さに嫉妬した。
その裸を何度か目にしたが、それは朦朧としていた時が多かった。
すらりとした手足、張りのある美しい乳房、引き締まった腰。全てが完璧なまでの体を真っ向からぶつけて先生に歩を進めるのだ。
やめて…見たくない…ここから出して…先生…描けないと言って…ワタシを見て…
想いは虚しく先生は筆を取る。
そして、魅力的な乳房のカーブが創られた。
沙絵さんも、集中していて、先生の隣に置かれたワタシなど見向きもしない。
サラサラと先生の筆が走る音だけになった。
悲しいことに、それでもワタシは先生の絵が好きだ。
見たくないと思っても、目を反らすことが出来なかった。
乳房を撫でるように描き終えた筆が、括れたウエストを創り、
まだ命を抱えたことのない乙女の下腹部を捉えていく。
美しく、魅力的な太もも、スラッとした膝下、綺麗な足先まで、忠実になぞるように紙に写していく。
絵が滲み、歪んでいく。
それが涙のせいと知った。
ずっと目に留まっていてくれればいいのに、流れ落ちると、ボヤけていた視界が冴える。