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情画
第7章 曙
「そうだったんだ。記憶はないけど、ちゃんと愛されていたんだね、私。
ありがとう、いずみさん。」


良かった。今までずっと聞けずにいたのだろう。生まれてきていけない子などいない。

自分の存在を認められる。それは重要なことだから…

そのまま静かに食事が終わる。
食器を下げて、そのまま実の絵の観賞となった。

「面白い子ね。私みたいに変わってるわ。」

「沙絵みたいかな?でも、生き生きとした絵だよね。」

「この、重ね塗りは、いずみさんが教えたの?」

「そうです。色鉛筆じゃ色の種類が足りないというので。」

「クレパスとかで描かせたらどうでしょうね。」

「クレヨンですか?」

「いや、クレパスというのがあるんですよ。クレヨンより濃淡が表現しやすいので、幅ができますよ。」


「やっぱり血かしらね。まず見る力があるわよね。
子供なりの手つきだけど、一生懸命表現しようとしてるわよ。」

沙絵さんは画用紙を持ち上げて見ていた。

「先が楽しみね。」

「そうですね。描くのが好きといってスケッチブックを目を輝かせて見てました。」

そろそろ帰えらなければならない。
帰るのは惜しいけれど…
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