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情画
第8章 別れ
「ゆう…」

「そう、いずみもそう呼んでください。」

「はい。」

「でも、呼んでいいのはsexの間だけ…
貴女を感じている時だけ…」

「どうしてですか?」

「もったいないから」


もったいないという意味はわからなかったけど、従うことにして頷いた。

「本当は今すぐ抱いてしまいたいんだけど、
今日は沙絵との別離の日だから。」

先生はそう言って体を離した。

ワタシも同感だった。
沙絵さんとの別れを悲しんでいるのに、
その日のうちに体を重ねてしまったら、裏切ることになるような気がしたから…


「沙絵が下ごしらえした料理を仕上げてきますよ。
しばらくここで待っていてください。」

「はい、沙絵さんは、いつ出発されたんですか?」

「昨日の夜の便で、出たんですよ。
僕がだらけてしまいそうだからと、ちょこちょこ作りおき出来るものを用意してくれたんです。」

「先生が心配なんですね。」

「そうなのかな…これでも父親のつもりなんだけど。」

先生は頭を掻きながらアトリエを出ていった。

一人になり今一度沙絵さんの写真を見た。

沙絵さんはずっと悩んでいたんだ。
先生との間柄、男女のこと、性にまつわること、二人きりの生活で、ずっと抱えていたんだ。
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