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情画
第9章 初日
無言で貪る姿は浅ましくも儚くも映る。
それほどまでに欲しがられるのは嬉しかった。

切っ先を開いた唇にあてがい目隠しを外す。
無心にしゃぶりつこうとしていた貴女が、上目遣いに僕を見上げた。


八年間互いに待っていた分求めあう、そこに言葉など要らなかった。

後ろ手に縛られたまま、不安定なバランスで、一心に口内に迎え入れる。

腰を入れて喉に突き当てていった。

チュプ…チュポッ…

イヤらしい水音だけが響く部屋、絡み合う視線が離れることはなかった。

喉奥に挿したまま背中を抱え、縛りを解いていく。
貴女は鼻で息をして、舌で刺激しながら自由になるのを待っていた。


カーテンを開けて、八年前の貴女達を開放する。

ソファーベッドを絵に向かうように置き、ベッドに横たわった。

貴女に八年前の貴女達と競わせたかった。


「おいで…」

貴女は、まだ脚に力が入らないのか、這って着物を引き摺りながらやってくる。

ベッドに上がり僕の方にくる。
着物を脱ぐ時間も惜しむように、僕に跨がった。

せんせぇ…

頷くと貴女は僕自身の根元を握り、ゆっくりと腰を落とす。

開いた着物を従えた貴女は、天女が舞い降りたように美しかった。

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