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情画
第10章 四季咲き
「ママ、このお花綺麗だね。」
「薔薇というお花なのよ。」
「僕んちにはないね。」
「そうね。」
「じゃあ、いってきます。」
実が角を曲がり見えなくなるまで見送る。
そして、インターホンを押す。
これが日課となっていく喜びに胸が踊る。
お庭のどの花よりも、今のワタシは幸せだと思う。
弾むような足取りで玄関の扉を開けた。
「おはようございます。」
着物に着替えてアトリエに入った。
「今日は試験をしましょうか。」
「試験ですか。」
「まあ、普通に描けばいいんですよ。
基礎からやり直す必要があるかどうか。
それだけですよ。
体が覚えていると思いますけどね。」
テーブルの上には朝顔の鉢が置かれていた。
「うちのも、まだ葉っぱだけですが。1日で仕上げるにはちょうどいいじゃないですか?」
「は、はい。」
試験と言われて緊張していた。
「試験なんて言い過ぎでしたかね。
気にせず好きに描けばいいんですよ。」
鉢を回して視点を決める。
紙を置いて筆を取る。
先生が反対側にテーブルを置いて道具を用意し始めた。
「先生も描かれるんですか。」
「そうですよ。忘れてしまいましたか?同じものを見て描く。それを楽しみたくて絵を教えると…」
「薔薇というお花なのよ。」
「僕んちにはないね。」
「そうね。」
「じゃあ、いってきます。」
実が角を曲がり見えなくなるまで見送る。
そして、インターホンを押す。
これが日課となっていく喜びに胸が踊る。
お庭のどの花よりも、今のワタシは幸せだと思う。
弾むような足取りで玄関の扉を開けた。
「おはようございます。」
着物に着替えてアトリエに入った。
「今日は試験をしましょうか。」
「試験ですか。」
「まあ、普通に描けばいいんですよ。
基礎からやり直す必要があるかどうか。
それだけですよ。
体が覚えていると思いますけどね。」
テーブルの上には朝顔の鉢が置かれていた。
「うちのも、まだ葉っぱだけですが。1日で仕上げるにはちょうどいいじゃないですか?」
「は、はい。」
試験と言われて緊張していた。
「試験なんて言い過ぎでしたかね。
気にせず好きに描けばいいんですよ。」
鉢を回して視点を決める。
紙を置いて筆を取る。
先生が反対側にテーブルを置いて道具を用意し始めた。
「先生も描かれるんですか。」
「そうですよ。忘れてしまいましたか?同じものを見て描く。それを楽しみたくて絵を教えると…」