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情画
第12章 レッスン
口で奉仕するよう言われたが、他はいつも通りの利己的なもので終わる。

ねちねちと蔑まれないだけ良かったと思う。

主人が眠りについたのを確認し、お風呂に入り直して実の部屋で寝た。


「ママ…おはようございます…今日から学校だよね…」

「そうよ。」

主人も起きてきた。
ワタシが抜け出して実の部屋に行ったことも気づいていないようだった。

休み明けのバタバタした朝を終え、実を送り出す。

「ママ…この蕾は何のお花?」

「あ、絵が変わったのね。芍薬というのよ。」

「しゃくやく?」

「そうよ。」

「まん丸の蕾、可愛いね。どんなお花が咲くのかなぁ。」

「そうね。咲いたところの絵も飾られるといいわね。」

「きっと綺麗なお花だよ。いってきます。」

「いってらっしゃい。」


インターホンを鳴らす。
返事を待たずに入るように言われている。

門を潜り庭に入る。

芍薬…

あの花が開く直前を収めたくて、雨に濡れていた先生。

ワタシが初めて絵になった花。

それを思うだけで体が熱くなる。

ワタシは沢山の花の香りを嗅ぎながら、庭を進んだ。

「先生…」

「もう、待っていられなくてね。出迎えに来ましたよ。」
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