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情画
第14章 テスト

実は先生からいただいた芍薬を大事に持って歩いている。


「実、レッスン楽しい?」

「うん、先生面白い。」

「絵は?」

「うん楽しい。来週もおやつ持っていこうね。ママ。」

「そうね。」

実と先生が打ち解けて心から話しているのが嬉しかった。

芍薬はリビングのローテーブルに活けた。

休みの間、実は芍薬についていて花が綻ぶ度に絵を描いていた。

「実、花の絵ばかり描いて、女みたいだな。」

「芍薬って花だよ。蕾はまん丸だったんだ。」

「ふうん。」

興味なさそうな主人の返事に会話は途切れた。

それきり主人は絵や花のことは言わず、実の脇に座ってTVを見ていた。


今までは、会話が続くよう、二人の時間を大切にしていたが、先生という支えを見つけ、無理に仕掛けるのを止めた。

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