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第14章 テスト

小一時間しただろうか。

｢先生、僕出来たよ。｣

｢先生はもう少し、ママは？｣

｢えっ…ワタシももう少しです。｣

｢実くんもう少し待っててね。｣

｢ねぇ、皆が描くところ見てもいい？｣

｢いいよ。｣

｢どうぞ。｣

実は静かに立ってワタシと先生の間に来て両方の絵を見ていた。

｢よし、先生も終わったよ。｣

｢もう少し待っててください。｣

実は黙って見ていた。

｢出来ました。｣


｢皆、違うね。先生はいっぱい色を混ぜてる。
ママのは薄く柔らかい描き方だった。｣

｢実くん、自分のは？｣

｢僕、もっと丁寧にいっぱい色を使えば良かった。｣

｢どれどれ、見せてごらん？

いや、いいよ。爆弾のパワーがしっかり表れてる。いい絵だよ。｣

｢そうかなぁ、先生やママみたいに上手になりたい。｣

｢実くん、上手だよ。クレパスをしっかり握りながら優しく動かせるようになったらもっといいよ。｣

｢実の芍薬元気よく描けたわよ。｣

｢変じゃない？｣

｢変じゃないよ。｣

先生が実の頭を撫でる。

｢芍薬、だいぶ開いたからもう切っても大丈夫だよ。
持ってかえって、開くとこ見るといいよ。｣

｢やったぁ〜先生ありがとう。｣