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情画
第15章 手紙
実のレッスンが始まり1ヶ月が過ぎた。

先生は教えるというより、ヒントを与えて実を上手に導いていた。


「昨日、沙絵から手紙が届いたんですよ。」

お屋敷に着くなり先生は嬉しそうにおっしゃった。

「手紙にはどんなことが?」

「向こうでの様子が書いてありました。
日本人が経営してる飲食店でバイトをしながら、写真のために小さなアトリエを借りたそうです。」

「凄いですね。やはり沙絵さん行動力がある。」

「それで、この荷物と一緒に手紙が入っていたんですが、」

「本のようですね。」

「貴女と一緒のときに開けるように書かれていて、休みの間、ずっと待っていたんですよ。」

「そうだったんですか。では開けて見ましょう。」

先生に渡された本の包みを開ける。

それを先生に見せてよいのか迷ってしまった。

「先生、ソファーで並んで見ませんか?」

「いいですよ。」

それは写真集だった。
包みを外すと中にワタシ宛の手紙があり、本を見てから読むように書かれていた。

「先生…」

「何だか見るのが怖いですね。」

タイトルは『I』本の上に印字されているが下の同じ位置に『愛』と書かれていた。

そこには沙絵さんがいた。
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