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情画
第16章 露呈
「実が俺の子供でないと疑ったのは、薬指だよ。

人差し指と薬指の長さ、

それが劣性遺伝子で、出るにはよほど近しい劣性遺伝子が必要なんだ。
お前も俺も違う。そうしたら父親が俺でないという推測になったのさ。」

ワタシはもう何も言えなかった。


「お前も俺も人差し指の方が短いだろう。実だけ違うんだよ。

それには近しい人が逆でなければならないんだ。

さて、どうなんだ。

お腹の子供は、実は、俺の子供なのか?」


ワタシは何も言えなかった。


「誰の子供なんだ?

同じ男なのか?」


ワタシは、ようやく事態を把握した。

絶対に先生の存在を知られてはいけない。

主人は、ワタシが不貞の証を晒すのを待っていたのだと…


「別に父親の名前など聞きたくないよ。

どうせ、聞いてもわからないんだろうしな。


その代わり、これだけは言わせてもらう。

実を連れて早く出ていってくれ。」


主人はもう1つ封筒を出してきた。

「早く記入して出しておいてくれ。

そして早くここを出ていってくれ。」

封筒の中身は離婚届けだった。

保証人に義父母の署名があり、ワタシの部分を記入すれば完成するようになっていた。


「ずいぶん緩い扱いだと思うよ。八年間、違う男の子供と、不貞の妻を養ってきたんだから…」
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