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情画
第16章 露呈
「やはり、実も俺の子供じゃないんだな。」

主人の顔は険しさが抜け、落胆していた。

「はっ…」

「診断書の日付と2枚目を見てみろ。」

俯いたまま主人は言い放つ。

検査日付は5月の連休の後だった。

2枚目には要因と治療方法が書かれていた。

『高熱により精子の受精能力が著しく低下しており、治療により妊娠を望むことも考えられません。』


あ…

「二人目不妊とかあるから、お前に原因があるんじゃないかと、お袋に言われたんだ。

お前に負担をかけたくなくて、自分の検査をしたんだ。

種がなかったんだよ。

でも、熱のせいでと書かれていたからね。実のおたふく風邪をもらったことを思い出した。

あの熱のせいではないか…

実は俺の子供だってね。

半ば信じてた。」


ワタシは何も言えなかった。



「正直、今回疑っていたよ。でも実は俺の子供だろう…

そう思いたかったんだ。

メンデルの豆の法則、劣性遺伝子が発生するには、より高い確率が必要なんだ。」


「劣性遺伝子?」

ワタシはわからないままに繰り返していた。

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