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情画
第16章 露呈
「そうだよ。帰ってきたらインターホンを押して、なるべく先生も玄関にいくけど、間に合わない時はこれで入って…」

「うん。」

鍵には鈴とコヨリがついていて『実』と名前が書かれていた。

「これ、僕の鍵?」

「そうだよ。君のだ。一人前の男だから鍵を預けるよ。」

「一人前の男…やったぁ、ママ、僕、鍵を預けられたよ。」

「あら、ママも預けられてないのに…凄いわね。」

「だってママはここに居るから鍵要らないでしょ?」

「あら、そうね。」

ウフフ…


「それと、実くんはお風呂は一人で入ってるのかな?」

「ママかパパと入ってる。」

「そうか、今日は僕と入るよ。いいかな?」

「いいよ。」

「じゃあ、ご飯の片付けをしたら、お風呂に入って寝よう。」

「うん。ママは?」


「赤ちゃんがお腹にいるから、しばらくはママ一人でお風呂に入って、ママの部屋で寝るよ。」

「先生…寝るとき僕と一緒に寝てくれる?」

「いいよ。もちろん。」

「本を読んでくれる?」

「ああ、もちろんだよ。」

「やったぁ。」


先生は痣のことを気遣ってくださったんだ。そう、実に不安を与えないように…

何から何まで先生に任せっぱなしだ。
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