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情画
第2章 夜光虫
何故今日なのだろう。
ワタシはドキッとした。


「いいね。待ってるんだよ。」

念を押されるなんて益々珍しい。

「パパ〜これにする。
あ〜お酒飲んでる。ダメ、ちゃんと読んでよ。行くよパパ。」

「おお、バレちゃったか〜、ママ、あと飲んどいて〜、おし、実、行くぞ。」

「うん、おやすみママ。」

「はい、おやすみなさい。」


缶ビールは半分も空いていない。飲みたかったのでなく、キッチンにきて約束を取り付ける為の口実ではないか。

昼間の狂乱を思い出すと、今日はそんな気分じゃない。

ワタシは主人が残したビールを一気に飲み干した。

苦味が広がる。
ワタシも飲みたかったわけではない。
飲んで気を紛らわしたかった。

洗い物を終え、お風呂に入る。
主人は暗い中でするから見られることはないけど、昼間の痕が残ってないか確認した。


寝室に入るとすぐに主人がやってきた。

部屋の明かりを付けられる。

「ちゃんと待っていたかな?」

布団に入っていたワタシは上体を起こした。

「パジャマを脱いで裸になりなさい。」

普段は布団の中で主人に脱がされる。
酷い時は下半身だけ脱がされ、事が終わることもあるのに、今日は何だか珍しいことばかりだった。
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