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情画
第2章 夜光虫
「実、今日はパパと風呂入るか?」

「うん。入る〜」

「じゃあパパと寝るか?」

「パパ、本読んでくれる?」

「うん。読むよ。」

「じゃあパパと寝る。」


夫婦の寝室はそのままにして、実の部屋にもセミダブルを置いてある。

普段は帰りが遅く、ワタシが実の部屋で一緒に寝てしまうことが多い。


「ママ〜お風呂入るね〜」


ワタシは片付けを始めた。先ほどの主人の視線を思い出す。
あんな風に見られることはあまりない。
ワタシは何かを感じていた。


「ママ〜お風呂でたよ〜」

「実、歯磨きした?」

「ちゃんとしたよ〜」

「じゃあおやすみなさい。」

「おやすみなさい。」

「実、読みたい本選んでおいて。」

「わかったぁ。」

主人がキッチンにきて缶ビールを開けた。

「あなた、飲みたかったなら食事の時に出したのに。」

「風呂上がりに飲みたかったんだよ。
実を寝かし付けたら、そっちに行くから、お前も早く風呂入って待ってなさい。」


あ、珍しくお誘いがあった。月に1、2度…それくらいが今の間隔だ。

大抵は実を寝かし付けた頃にちょうど主人が帰ってきた時に寝室に呼ばれるのだが、
実がいるのに、こんな風にお誘いを受けることなど今までにない。
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