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情画
第17章 新芽
それから実は荷物を取りに行きたいとは言わなくなった。

先生とお風呂に入り寝るのも慣れてきた。

朝起きたら一番に朝顔に水やりし、学校から帰ると他の庭木にもホースで水やりを楽しんでいた。


「先生〜今日は金曜日だよね。レッスンだよね?」

「そうだね。」

「先生、今日オモチャの飛行機描いていい?」

「いいよ。僕も描いていいかい?」

「うん。」

先生は絵の具の用意を始めた。

「ママは?」

「マドレーヌを焼こうと思うんだけど、いいかしら?」

「やったぁ。いいよ〜
先生、マドレーヌだよ〜
美味しいんだよ。」

「じゃあ実、時々覗きにくるからね。」

ワタシはキッチンに向かった。

型などの道具が無いのに気づき家に戻る。
やはり主人が帰った様子は無かった。

お菓子作りの道具をまとめて、急いで屋敷に戻る。

レッスンの様子をこっそり覗くと、実はビューンと効果音を口ずさみながら飛行機を描いていた。

タネを作り型に入れてオーブンに掛ける。

しばらく手が開くのでまたレッスン室に向かった。

「先生、飛行機乗ったことある?」

「あるよ。」

廊下にまで声が聞こえる。ドアを開けずに二人の様子を窺ってみることにした。

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