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情画
第17章 新芽
家に戻ると昨日主人が戻った様子は無かった。
勝手に出ていってしまい、こちらからは連絡取れるが、ワタシと実の行き先はわからない。


それで構わないのだ。やはりもう終わったのだ。

実の思い出は欲しい。アルバムやビデオを荷物にまとめた。


「先生〜、朝顔元気ないから連れていっていい?」

「じゃあ僕が持っていこう。」

「庭の水やりもしといた方がいいよね。」

「そうしようね。」

「ママ〜荷物できた?」

「はい、もう出来たわよ。」

「じゃあ水やりして出発〜」

こうして屋敷に戻る。

実が戻りたいと言わなければ、もう来なくてもいい。そんな気分だった。

「実くん朝顔の鉢はここに置くよ。」

「あっ、朝顔がいっぱいある。」

先生は朝顔を元のサルスベリの根元に置いた。

何か考えがあるのだろう。

「実くんに一つお仕事を任せよう。」

「お仕事?」

「庭の水やりだよ。
この鉢は実くんの。だから実くんが水やりをしてね。他のも気になったらやってくれるかな?」

「うん。でもたくさんあるね。」

「こうするんだよ。」

先生はホースの使い方を教え庭の真ん中から水を飛ばしぐるっと一周した。

「うわぁ〜先生、虹が出来てるよ〜」

ホースの水しぶきで虹が出来ていた。
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